近岡 令
Rei Chikaoka
Profile
1970年 富山県氷見市生まれ
東京藝術大学大学院 美術研究科 博士課程 修了(博士号取得)
Artist Statement
私は「動き」をテーマに、ガラスによる造形を続けています。
「動き」には必ず「静止」の様態が伴います。この二つは相反しながらも互いを引き寄せ合い、緊張を孕んだ関係として存在しているように感じます。私はその拮抗する力、その境界に生まれる状態を表現したいと思い、ガラスという素材を通して造形と技術への挑戦を重ねています。
なぜガラスなのか。それはガラスそのものに「動き」を感じるからです。光や熱、重力によって刻々と変化する性質は、刹那的な緊張感を生み出します。その瞬間に強く惹かれています。
一方で、ガラスで造形することには多くの困難が伴います。しかしだからこそ、技術や素材、発想にはまだ開かれていない「余白」が存在していると感じます。私はその余白を見つめ続けることが、新たな造形へとつながる手がかりになると考えています。
既存の技術や素材、表現の選択に疑問を持ち、それらがなぜ選ばれてきたのか、他に可能性はないのかを問い直しながら研究を進めています。より豊かに、より深く表現するために、ガラスという素材と技術に向き合い、その力をより多く引き出したいと思っています。
私の制作では、ガラスを電気炉で熔かし成形する「キルンワーク技法」を多く用います。ガラスは窯の中で私の手を離れ、長い時間をかけて形を成していきます。その時間は私を冷静にさせ、「こうなるだろう」「こうなってほしい」という期待を抱きながらも、作品とより客観的に向き合わせてくれます。
私はガラスに期待しているのです。
CV
- 1993
- 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業
- 1994
- 武蔵野美術大学インテリア研究室勤務(〜99年)
- 1999
- 武蔵野美術大学ガラス研究室非常勤講師(〜現在)
- 2012
- 書籍『フュージングをはじめよう』(ほるぷ出版)を上梓
- 2013
- 国際ガラス展・金沢2013 審査員賞 受賞
- 2014
- 東京藝術大学大学院美術研究科 修士課程修了
- 2014
- E-merge 2014(アメリカ・Bullseye社)Kiln Caster Award 受賞
- 2015
- 日本のガラス展'15(The Glass in Japan)JGAA賞(大賞)受賞
- 2016
- シドニー大学(シドニー芸術大学)へ東京藝術大学より交換留学
- 2017
- オーストラリア国立大学で「レジデンスアーティスト」として滞在制作
- 2017
- 東京藝術大学平山郁夫国際文化賞 受賞
- 2018
- Bullseye社で「レジデンスアーティスト」として滞在制作
- 2019
- 東京藝術大学大学院美術研究科 博士課程修了 博士号取得
- 2021
- 書籍『ガラスフュージング』(誠文堂新光社)を上梓
- 2023
- Gallery O2(石川県金沢市)にて個展
- 2025
- LOEWE Craft Prize 2025 Finalistに選出(LOEWE FOUNDATION)
Current
- 武蔵野美術大学 ガラス研究室 非常勤講師
- STUDIO POSI(スタジオポジ)主宰
- Glass Around 70's アーティストメンバー
Membership
- アメリカガラス作家協会(GAS)正会員
- オーストラリアガラス作家協会(AUSGLASS)正会員
- 日本ガラス工芸学会 正会員 理事